ナマコの内臓発射をくらったことがある人はご存知だろうが、海に遊びに行ってプニュッっと誤ってナマコを踏んでしまった時に白い糸の様なものを吐き出された経験はあるでしょうか。ナマコは海底の砂地に潜んでいますが、パッと見では砂に擬態しているためナマコの存在に気付きにくいです。
そして、知らずにナマコを踏んづけてしまうとピューっとお尻から白い糸状の内臓を放出されます。そんなナマコの内臓発射ですが、実はこの防衛術がカナリ強力であり、魚を窒息させるほどの威力があります。
ナマコの内臓発射の威力
ナマコの内臓発射の威力は誤ってビーチでナマコを踏んでしまった人ならお分かりの通り、その白い糸状の内臓はとてもネバネバしていて簡単には取ることが出来ません。ビーチサンダルを履いていてナマコを踏んづけてしまった時に、この内臓発射をされると不運としか言いようがありません。このナマコが内臓発射するネバネバした白い糸の正体は、「キュビエ器官」と呼ばれるものです。
ナマコは危険を察知すると、最終手段としてこの「キュビエ器官」を体内から内臓発射させるわけですが、この粘着性は凄まじい威力があり、コジコジを海中で洗ってもまず取れません。さらにただでさえ足の皮膚などにキュビエ器官が付いても取れないのに、水着などに付着したらもう最悪としか言いようがありません。ちなみにですが、ナマコに内臓発射されてキュビエ器官が自分の足についても、砂利などでゴシゴシしても取れないくらい強力です。
そんなナマコのキュビエ器官ですが、もうそのネバネバの強力さと威力はおわかりになったと思います。ナマコは外的刺激を受けると自己防衛のために最終手段としてお尻から内臓発射してキュビエ器官を放出します。ナマコを襲った魚などが、この超強力な粘着性のあるキュビエ器官に絡まってエラに付着すると、もう窒息という末路しか残っていません。
手足を自由に使える人間ですら、砂利などを使ってゴシゴシしてもナマコが放出したキュビエ器官を簡単に取ることができないので、魚がキュビエ器官にやられると「The END」ですよね。人間でたとえると、手足の自由を奪われた状態で鼻と口をネバネバしたもので塞がれるようなものです。そのため、ナマコが放出するキュビエ器官は魚にとって脅威でしかありません。
ナマコが放出するキュビエ器官を簡単に取る方法
ナマコが放出するキュビエ器官は、ネバネバが強力すぎて普通にしていては取り除くことが困難です。特に、水着などに付着したら長時間の間、ナマコの内臓でデコレーションされた水着でいすわらなければなりません。しかし、そんな超強力のナマコのキュビエ器官を簡単に取る方法があります。もし、海で遊んでいて誤ってナマコを踏んでしまい内臓発射をくらってキュビエ器官まみれになったら、すぐに海から上がります。
そして、身体や水着に付着したナマコのキュビエ器官を乾燥させます。海風に当たりながら、ナマコのネバネバしたキュビエ器官をしっかりと乾燥させるとパリパリ状態になります。もちろん、再びこのパリパリになった状態で海へ入るとまたキュビエ器官が復活してしまいますので、絶対にNGです。さて、ナマコのキュビエ器官を乾燥させてパリパリ状態になると、もうあの強烈なネバネバは消えていますので、シールを剥がすように簡単にポロっとキュビエ器官を取ることが可能です。
海遊びをして、ナマコに不意打ちの内臓発射をされてキュビエ器官まみれになったら、しばらく海から上がって乾かしましょう。いつまでも海中で取ろうとしていても、全然取れないので乾燥させる時間の方が逆に早いです。また、ナマコの種類によっては内臓に毒を持っている個体もいるので、海中でキュビエ器官を取ることは実はおすすめできないです。ちゃんとキュビエ器官を乾燥させて、パリパリ状態になってからペリっと剥がして取ることがおすすめです。
ちなみに、ナマコの内臓は食用としても重宝されており、このわた(海鼠腸)という塩辛として食べられています。また、厳密にはナマコの内臓発射には2種類あり、純粋な内臓とキュビエ器官に分かれます。私たちが食用としているナマコにはキュビエ器官が存在しなく、ネバネバが無い腸を出して自己防衛します。南の島などに生息する食べられないナマコにはキュビエ器官を放出して自己防衛するものが多いです。
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